金型図面の取扱いと検図自動化に必要なこと

この記事の要約
- 金型図面の種類と、製品図との整合性や寸法・加工指示など検図で確認するポイント
- 金型図面を外部のAIサービスで扱う際の注意点と、オンプレミス環境という選択肢
- AIでサポートできる寸法・公差の確認や図面比較と、設計者が判断すべき範囲
金型図面とは、製品図をもとに作成する、金型を製作するための図面です。検図では、製品図の要求事項が金型図面に正しく反映されているかを確認することがカギになります。
この検図工程は、AIでサポートできます。ただし、金型図面には企業の技術情報やノウハウが含まれるため、AIで扱う前に、図面をどこで処理するかまで確認しておくことが必要です。
そこでこの記事では、まず金型図面の種類や役割、検図での確認ポイントを紹介します。そして、情報の取り扱いに注意したAIの使い方や、「どこから人の目に頼るのか」という区分について解説します。検図の効率化にお役立ていただければ幸いです。
金型図面の検図で確認すること
検図を行うためには、まずは金型図面と製品図との関係を知ることが重要です。それを理解したうえで、製品図に示された形状や寸法などの要求事項が、金型図面に適切に反映されているかを確認します。
金型全体の構造を示す図面と、個々の部品を加工するための図面では、確認する項目が異なります。寸法・加工指示の確認漏れは、製作段階での手戻りにつながる可能性があるので、十分な注意が必要です。以下では、図面の種類から寸法・加工指示までを解説します。
そもそも金型図面とは?
金型図面とは、製品を量産するうえで必要な型を作るための図面です。この図面には、部品の加工情報のほか、形状や材質、熱処理などといった技術情報が含まれているのも特徴です。
図面は、どのような部品を製作するか相手に伝えるほか、「図面の通りに製造する」という契約上の資料となるケースもあります。寸法公差をはじめとした情報が組み込まれているため、測定時には指示書としても活用されます。
なお、金型図面は機械図面の一種でもあります。機械設計では、主に機械や装置、部品といったものの構造や機能を設計しますが、金型設計では製品の成形・加工に使う金型を設計します。製品そのものの形を示す図面である製品図は、金型図面をつくる元になる図面なので、両者を混同しないことが重要です。
機械図面のAI検図に関しては、別記事「機械図面のAI検図における確認点とサポートできる範囲」でも詳しく解説しているので、ぜひご一読ください。
金型づくりに関わる図面の種類
金型づくりに関わる図面には、さまざまな種類があります。図面によって、その役割や担当者は異なります。正しい理解が、各工程で必要な情報を把握し、認識のずれや確認漏れといったトラブルを防ぐことにつながります。
以下に、その一部を紹介します。なお、ここでの担当区分は一般的な例です。企業によってどんな人が、どんな役割を担うかは異なります。

金型の設計・製作は、まずは製品図における要求事項に基づき、金型全体の構造を検討することから始まります。次に組立図において構成・部品配置・組み合わせを決めていきます。その後、部品図の作成、金型製作・組付け・検査を経て、金型が完成します。
なお、呼び方や分類方法も、業界や会社によって異なります。例えばダイカスト金型では、「製品図」「素材図」「型レイアウト図」と分ける場合があります。
製品図との整合が検図の出発点になる
金型図面は製品図をもとに描くため、検図ではまず「製品図で求められている形や寸法が、金型図面に正しく反映されているか」が鍵になります。
ですがこのとき、製品図と金型図面の数値が必ずしも一致するとは限らず、例えばプラスチック金型は、金型のキャビティ内部にある溶融樹脂が、冷却されて固まる際に体積が収縮する「成形収縮現象」を意識し収縮度合い(成形収縮率)を正確に把握することで、金型のキャビティの寸法を補正するといった対応を行います。
このように、製品と型の寸法には設計上の違いがあり、製品の要求が、こうした補正を踏まえて型に反映されているかを確認することが、このフェーズでは重要と考えられます。
補正の量が適切かどうかは、材料や成形条件を踏まえて設計者自身が判断することになります。よくあるミスとして、製品図が変更されたのに金型図面に反映されていない、製品図の寸法を写し間違えている、などがあります。外観の表面はもちろん、成形材料もしっかり確認することが求められます。
型をつくったあとで誤りに気づいた場合の手直し・修正としては金型を削り、寸法精度などを調整する「切削」などの方法があります。設計仕様を満たすため多くの手間が発生する点に注意が必要です。

寸法と加工指示:面取り・キリ・ザグリの深さ・注記
無用な手戻りを避けるためには、あらかじめ寸法・加工指示を徹底することが求められます。長さ・高さ・直径などの寸法、面取り、キリ穴の直径、ザグリの深さ、注記・引出線などをしっかり確認することが重要で、こちらの項目も含めAIによるサポートが行えるようになってきました。
- 長さ・高さ・直径などの寸法
設計図に示される寸法には、加工時の基準となる数値が記載されています。実際の加工では寸法にばらつきが生じるため、寸法公差などによる許容範囲を確認することがあると思われますが、このとき、同じ箇所の寸法が重複して記入されていないかもあわせてチェックすることを推奨します。二重寸法があると、設計変更時に修正が片方のみに限定され、数値が食い違ってしまうリスクがある為となります。

- 面取り、キリ穴の直径
面取りやキリ穴の指示を確認するうえでは、図面上の指示が正しいかを見極めることが重要といえます。例えば、割り振られた寸法補助記号の意味も確認します。面取りでは「C2」(45°の面取り)のような記号を、キリ穴では、「φ=直径」をはじめとした記号をもとに、適切な指定がされているかを見ます。

l ザグリの深さ
ザグリは、ボルトの頭などを沈めるために穴の入口を広げる加工です。検図の際は、ザグリの径と深さが指示されているかを確認します。深さの指示が抜けていると、加工の段階で問い合わせや手戻りが発生します。

- 注記・引出線
タップ穴は、位置・個数・ねじの寸法が図面上で指示されているか、引出線が正しい加工箇所を示しているかを確認します。
同じ寸法の穴が複数ある場合は、穴の位置・個数・寸法と、引出線の指している箇所が対応しているかを確認します。複数の穴を繰り返し配置する際は、個数が寸法記入や注記によって示されているか、注記と図面上の穴の配置に矛盾がないか確認する点も重要です。個別の加工箇所に指示がない場合も、図面全体で適用される共通注記で指定されているケースがあります。より詳しいチェック方法は、別記事「検図とは?」を参考にしてください。

金型図面は転用禁止?取引時の注意点
金型図面にはさまざまな情報が含まれているため「転用はできないのだろうか」「AIで読み込むのは難しい?」と不安に思う方もいると思います。これは、一律に禁止されているわけでもなければ、自由に利用できるとも言い切れないのが実情です。
ここでは、金型図面が取引の中でどのような立ち位置にあるか、秘密保持の観点上どう扱うべきか、また安心して使用するためのサービスについても見ていきます。
金型図面は取引の中でどう扱われるか
金型図面は、加工情報だけでなく、形状や材質、熱処理など、金型メーカーの技術やノウハウが詰まった情報を含みます。そのため、「転用禁止」などの注意書きがされていたり、取引の契約で図面の扱いを決めたりすることがあります。
発注者と中小受託事業者(金型をつくる受注側の事業者)の間で「図面を誰に渡すか」「対価をどうするか」が問題になることも少なくありません。公正取引委員会の取適法に関するQ&Aでは、発注時に示した給付の内容に金型の図面が含まれていないのに、金型の納品にあわせて、追加の対価なしに図面も納品するよう求めることは、「不当な経済上の利益の提供要請」に該当するおそれがあるとしています。
図面もあわせて受け取りたい場合は、別途対価を支払って買い取るか、あらかじめ発注内容に図面を含むことを明らかにし、図面を含んだ対価を受注者と十分に協議して設定したうえで発注する必要がある、とされています。
参照:よくある質問コーナー(取適法) Q120 -公正取引委員会-
生成AIで図面を読み込むときの注意点
自社ノウハウや技術情報を含む金型図面は、生成AIで読み込む際にはさまざまな注意が必要です。具体的に注意したいのは以下の点です。
- 自社と取引先の契約で、図面の扱いがどう決められているか
- その図面が自社の営業秘密として管理している情報か
- 社内の情報管理ルールで、外部のサービスの利用がどう定められているか
昨今では、業務上でChatGPTやGeminiやClaudeといった生成AIを使用するケースも増えてきました。しかし、手軽に使用できる分、読み込ませることで「図面の情報を社外にさらしている」という危機管理意識を持ちにくいという課題があります。
不正競争防止法上の「営業秘密」として保護されるには、秘密として管理されていること(秘密管理性)、事業に有用な情報であること(有用性)、公然と知られていないこと(非公知性)の3つの要件を満たす必要があります。営業秘密として管理している図面を社外のサービスに入力することが、社内の管理ルールに沿っているかを確認します。
取引先から預かった図面であれば、秘密保持契約などで決められた範囲も確認の対象です。社内の規定で、業務での生成AIの利用そのものを制限している企業もあります。
生成AIは、業務の効率化や工数削減の観点から、非常に便利なツールです。しかし、活用する際は、自分がどんな情報を読み込ませるのか、その情報が営業秘密にあたらないか、そもそも社内でのAI使用の規定はどうなっているかを確認を推奨します。

社内で運用できる環境
図面を社外に出さずにAI検図を行う方法として、社内で処理できるオンプレミス環境に対応したものを選ぶことが考えられます。当社では、高セキュアなオンプレミス環境で使用できる「Drawing-AI」を提供しています。
Drawing-AIは、前述した金型図面の寸法・公差・加工指示の確認を仕様書や規格の基準値と照合したり、再設計の前後の図面の比較をサポートします。図面を社内で管理できるため、AIによる検図自動化を加速させることが可能です。
プラスチック金型とプレス金型で異なる観点
金型は、材料・製造方法により構造や役割も変わってきます。例えば、プラスチック金型では樹脂の成形収縮や離型を意識する必要がありますが、プレス金型では打ち抜きや曲げによる変形に注意しなければなりません。
ここからは、金型ごとに異なる観点・注意点を紹介します。

金型の主な種類
経済産業省による生産動態統計では、金型は8種類に分類されています。

2024年の生産金額では、プラスチック用金型とプレス用金型の2種類で全体の約4分の3を占めます。経済産業省の「生産動態統計 年報(2024年)」の1〜12月の生産金額を合計すると、プラスチック用金型が約1,229億円(38.4%)、プレス用金型が約1,174億円(36.7%)、金型全体が約3,198億円でした。そのため、本記事ではこの上位2種類を取り上げます。
出典:経済産業省『生産動態統計 年報(2024年)』時系列表(金型)

プラスチック金型で見るところ
プラスチック金型は、溶かした樹脂を型に流し込んで(射出成形など)形をつくる型です。検図では、主に次の点を確認します。
- 抜き勾配(成形品を型から取り出すための傾き)
- 成形収縮(冷えて縮む分を見込んだ寸法)
- 型を分割する面(パーティングライン)の位置
抜き勾配が適切でないと「成形品を型から取り出しにくくなる」「離型不良につながる」といった問題があります。初期検討の段階で成形品の形状や素材、ゲート位置、抜き勾配、成形品の高さ、スライドコアや傾斜ピンの配置、成形品の肉厚などを確認し、トラブルが発生しそうな場所を予見することが重要です。
成形収縮については、成形時の収縮を見込んだ寸法が図面に反映されているか、材料・成形条件を意識した寸法設定になっているかを見ます。これが崩れると、製品図指定の寸法や公差を大きく外れてしまう危険があります。
型を分割する面(パーティングライン)に関しては、金型の分割位置や成形品の形状を確認するほか、製品の外観・機能に影響する位置に分割線が設定されていないかも見ます。これを怠ると、成形品を取り出しにくくなったり、分割線が目立ったりというデメリットが生じる可能性があります。
プレス金型で見るところ
プレス金型は、金属の板に力を加え、打ち抜き・曲げ・絞りなどの加工をする型です。確認時は、以下の点に留意すると良いでしょう。
- 抜き:クリアランス(パンチとダイの隙間)が材料の板厚に合っているか
- 曲げ:スプリングバック(曲げたあとに材料が少し戻る分)を見込んでいるか
- 絞り:しわや割れが出にくい形状・寸法になっているか
抜きに関しては、クリアランスが大きいと打ち抜きに必要な力は小さくなります。しかし、切断面におけるだれや破断面の傾きが大きくなり、品質に影響する点には注意が必要と思われます。
また、スプリングバックに関しては、曲げた製品が型から離れると「開く方向」に変化することがあります。加工後の角度が設計値からずれないようにするためには、スプリングバックを意識した金型設計・角度設計になっているかなどを見ていく必要があります。
絞りについては、相対板厚が小さいほど、円周方向に働く圧縮力の影響によって、しわが出る傾向にあります。絞りダイとブランクホルダで材料を押さえる面が平滑・平行でないと部分的にしわが出ることもあるので、十分注意が必要です。
部品同士がきちんと合うか
型には多くの部品が組み合わさっています。そのため、型の種類を問わず、合わさる部分の寸法や位置が重要になります。組立図と部品図を突き合わせて確認することを推奨します。
特に確認したいのは、「位置決めピンと穴」「軸と穴」など、組み合わさる部品の寸法や公差が適切に設定されているかです。寸法や公差が合っていないと、組み立てに支障が出たり、必要な位置決め精度を確保できなかったりする可能性があります。周囲の寸法やほかの部品との関係から、図面上の数値に矛盾がないか見ることも重要です。
寸法・公差と加工指示の確認をAIでサポート
金型図面には数多くの確認事項があり、内容も複雑なため目視で見るには時間がかかります。そうした中、AIを活用すれば、寸法・公差・加工指示の確認や、新旧図面の比較をスムーズに進める事が可能です。
ここでは、Drawing-AIを例に、金型図面の確認でAIがサポートできることを紹介します。ただし、AIがすべての確認をできるわけではありません。AIが導き出した結果や疑わしい箇所については、必ず人による確認が必要です。
寸法・加工指示の抜けをリストアップする
設計データの確認を目視に頼っていると、「読み解きに時間がかかる」「工程が進んでからミスが発覚する」などのデメリットがあります。
Drawing-AIでは、CADデータを取り込むと、寸法の抜け・誤り、二重寸法、面取り指示の不足、注記・引出線の欠落など、確認が必要と思われる箇所を一覧で表示できます。項目を選ぶだけで図面上に該当箇所が表示され、人の目で確認すべき箇所を絞り込めるため、確認作業の効率化や、見落としリスクの軽減につながります。
これらの確認は、JIS規格や会社独自の規格に則って対応可能です。
公差を読み取り、抜けや食い違いを見つける
図面データをAIに読み込ませることで、図面に書かれた公差の値や幾何公差の記号を読み取れるようになります。具体的には、以下の箇所を確認候補として示せます。
- 個別の公差指示がない寸法
- 図面上で指定されていないデータムを参照している幾何公差
幾何公差とは、形状や向き、位置などのずれについて、許容される範囲を示すものです。一方データムは、幾何公差を指定する際の基準となる面や線などを指します。
図面の描き方や状態によっては読み取れない場合があるものの、書かれた公差の値が適切かどうかも見られる場合があります。
周りの寸法から推定して、誤りの可能性を知らせる
AIを活用すると、周りの寸法から妥当な値を推定しやすくなります。これにより、記入された値と食い違う箇所を「誤りの可能性がある」として知らせることにもつながります。抜けだけではなく、記入された値そのものの誤りに気づくきっかけになるのもメリットです。
位置決めピンと穴のように組み合わさる部品では、周囲の寸法から計算した位置と、直接記入された寸法が一致しているかが重要です。寸法の誤りや抜け漏れを調べることは、部品同士の位置関係の確認にもつながります。
こうした食い違いも、AIを活用すれば検出できる場合があります。AIによって確認候補を出し、どちらの値が適切なのかは人の目で確認するという手順を踏めば、工数や手間のロスを削減できるでしょう。
再設計の前後を比べる
再設計の前後の図面(CADファイル)を比較し、違いのある箇所を一覧で示せることも、AIを活用するメリットです。変更の反映漏れを確認する手がかりとなり、手戻り防止につながります。
例えば製品図で穴の位置や寸法が変更され、関連する金型図面にも修正が必要になった場合は、新旧の金型図面を比較すると変更された箇所を確認しやすくなります。製品図や変更指示と照合することで、修正すべき箇所の反映漏れを確認する手がかりになるでしょう。
ただし、違いが見つかった箇所が、意図した変更か、意図しない違いかを判断するのは人である点は変わりません。

確認できる範囲は図面データの状態で変わる
AIによる読み取りはメリットも大きいですが、図面データの状態によって、確認できる範囲や精度が変わることがあります。というのも、CADデータの寸法・注記といった情報の持たせ方は一律ではないからです。
同じ記号・文字であっても、AIが情報を同じように認識できるとも限りません。対応形式のファイルでも、すべての情報が読み取れないこともあります。なお、Drawing-AIはDXF・DWGなどのCADデータに対応しており、DWGなど複数のファイル形式をDXFに変換して解析します。
自動検出できる範囲、人が判断する範囲
AIの活用は、金型図面の確認作業の効率化につながります。寸法・公差の抜けや食い違いなど、確認が必要な箇所を示す役割をAIに担わせることで、手間の削減にもつながるでしょう。一方、設計意図や加工条件を踏まえた判断、修正の要否の決定は人が担う必要があります。ここでは、AIと人の役割をどう区別すべきかを整理していきます。

AIがサポートできること
金型図面の確認において、AIでサポートできるのは主に次のような点です。
・寸法・加工指示の確認
寸法・加工指示の抜けや誤りなどを一覧で表示できるため、目視で確認すべき点が分かりやすいのが特徴です。
・公差の確認
公差の値や幾何公差の記号を読み取るほか、個別の公差指示がない寸法を確認候補として示すことが可能です。図面で指定されていないデータムを参照している幾何公差も、確認候補として提示できます。
・周囲の寸法からの推定
周囲の寸法から妥当な値を推定すると、記入された寸法に誤りがある可能性を知らせてくれます。
・再設計前後の比較
新旧のCADファイルを比較し、違いのある箇所を一覧化できます。製品図や変更指示と照合することで、修正すべき箇所の反映漏れを確認する手がかりになるのもメリットです。
このように、AIは誤りの可能性がある箇所など、「目視で確認すべき点はどこか」を示してくれます。AIの情報をうのみにするのでなく、あくまでもサポート役と捉えることが、業務においてAIを活用するうえでのポイントといえるでしょう。
設計の判断と最終確認は人が担う
AIを活用しつつも、人が担う判断としては以下があります。
- 材料の特性や加工条件、設備を踏まえて、公差の値を決める
- 製品図の意図どおりに型が設計されているかを判断する
- 自社や取引先の設備で型をつくれるかを判断する
製品図と金型図面の寸法は、必ずしも一致するわけではありません。特にプラスチック金型では成形収縮などを考慮する必要があります。図面上で成立する設計でも、実際の設備や加工方法で製作できるかは別の判断になります。
公差は、製品に求められる精度だけで決めるものではありません。材料の特性や加工方法、設備の加工精度なども考慮するようにし、AIによる公差の読み取りと、設計者による公差の決定は異なる作業であると意識しておくことが大切です。
AIが寸法の誤りや抜け漏れ、公差の指示漏れを示しても、絶対に誤りであるとは限りませんが、誤っているもしくは誤っているであろう箇所の目視確認が容易になります。その際、実際に修正するかどうかは、設計者などの担当者が判断する必要があります。
まとめ
金型づくりには、製品図、組立図、部品図などが関わります。検図では、製品図の要求事項が金型図面に適切に反映されているかを見る必要があります。寸法の一致だけでなく、成形収縮などの設計上の補正も考慮しなければならないので、目視の場合はかなりの工数・手間がかかるのは否めません。
ただ、「それならばAIを活用すればいい」と簡単にいえないのが実情です。金型図面には技術情報やノウハウが含まれるため、外部のAIサービスに読み込ませる前に、契約内容や秘密保持、社内ルールを確認する必要があるでしょう。社外に図面を出さず、オンプレミス環境で処理する方法も選択肢の一つです。
AIでは、寸法・加工指示の抜け、公差の確認、数値の食い違い、新旧図面の比較などをサポートできます。ただし、図面の状態によって確認できる範囲は異なるので、公差の決定、設計意図との整合性、製作可能性、修正の要否は人の判断が必要です。
金型図面の確認作業に時間がかかっている企業や、図面に含まれる情報の取り扱いに配慮しながらAIを活用、DX化を検討されている企業は、当社が展開するDrawing-AIの導入をぜひご検討ください。煩雑な工程の短縮や、目視による確認を効率的を支援します。